美容師さんの技術を尊敬しつつもセルフカットの修行の旅は続く

最近自分のこれまでの人生を振り返ってみて、なりたい髪形になった事があっただろうか?という疑問にぶち当たり、過去の髪型遍歴を遡ってみる事にしました。
幼少時は母が切っていてくれていました。
もちろんなりたい髪形があったわけでもなくそれで十分でした。
その後母が首を患ったため散髪が出来無くなり、近所の床屋へ行く事になりましたが、自分の意志というより母の要望で切ってもらっていました。
幼少からかなりの剛毛だったので母の希望はただ一つ、「すっきりすいて短くして下さい」でした。
なのでずーっとショートカット一筋でした。

ある小学生の夏休み、親戚の叔母さんの行きつけの美容院というのに初めて連れて行ってもらった時も、叔母の意見でボブにされました。
今から思えばボブに出来るほど髪が伸びていたんだななどとも思うのですが、それまでショート意外を考えた事も無かったのにいきなりのぱっつんオカッパです。
自分以上に周りの大人達も驚いたようでしたが、その後オカッパが定着する事も無く、程なく次回からはまた安定のショートに戻りました。
そして中高の学生時代は部活が運動部だったのもあり、ショートの時代は長く続きました。

進学と同時に実家を離れ、今度は地方都市のチェーン展開している美容室に通うようになりました。
まずはパーマです。そして失敗です。大爆発です。手が付けられませんでした。
まぁ伸びればなんとかなるか、と思っていたのですがそうでもありませんでした。苦い経験でした。
そんな目に合いながら、自分で散髪費用を捻出しなければならないのも痛手だったので、初めて髪を伸ばす事にしました。
伸ばしてみると思いの外楽な事も多くありました。

散髪は年に2回ほどで済むし(本当はもっと手入れした方が良いのは分かってる)、大爆発してもしばったり、まとめてしまえば誤魔化せるしで、毎朝思うようにならない剛毛との戦いから解放されてせいせいしていました。
そうしてしばってしまえば楽ちんという事に気付いてから約20年、全く髪型を変えなかったわけではありませんが、ツンツンでもしばれるくらいの長さは保ってきました。
その間パーマもかけましたし、ストレート矯正もしました。レイヤーも入れまくりました。
それでもやっぱり思ったような髪形になれた事は無かったのです。

美容室、美容師さんを変えても同じでした。そして皆さん同じ事を口にしました。
「髪質がこうなので無理です」この言葉が出てくるとすべて納得という、自分にとっては魔法の様な言葉です。
それを悟ってからは髪質に無理な注文も出してこなかったつもりです。髪型についてあーだ、こーだ言う事も無くなりました。
この日だけのセットで十分、明日からはまたしばればいいのさ、と。
しかしどうせ思い通りにならないんだから、高いお金を出してわざわざ行かなくでもいいんじゃね、って事でセルフカットを始めてみました。
道具はもちろんオール100円均一商品です。

そうして思い知る事となるのです。美容師さん達の技術の素晴らしさを。
この剛毛に自分でハサミを入れてみて初めて美容師さんの気持ちに寄り添うことが出来たのです。
そうです、すべては髪質です、無理なのです。

しかも、しばれば済むというレベルをも超えたレベル。
この状態で美容室に行って怒らない美容師さんは皆無だと思われます。
でももう少しやり続けてみれば何か変わってくるかも、という有り得ない希望を捨てきれずセルフカットの修行はまだまだ続くのです。
hair_biyoushi